スマートフォンやSNS、AIの普及によって、私たちは即時的で端的な情報や、整然としたイメージに日々触れている。その一方で、物事を多面的に捉え、他者との複雑な差異を受け止めるための想像力や忍耐力が、少しずつ失われつつあるのではないだろうか。
「混沌熟視」は、効率や均質化へと向かう現代社会のなかで、個人の内にある記憶や感情、経験、価値観といった複雑性を見つめ直す展覧会である。参加する11人の作家は、栃木県那須塩原市でのスケッチ旅行を通じ、無数の木々や石、光や空間が織りなす複雑な自然と対峙した。何を見て、何を捉え、何を描くのか。その選択は、それぞれが歩んできた人生と固有の感覚によって異なる。
本展では、社会的な「正解」や共通の価値基準ではなく、一人ひとりの主観から生まれる多様な美に目を向ける。均質化していく時代だからこそ、自らの混沌を熟視し、他者の複雑さにも思いを馳せること。その営みが、私たちが共に生きるための一つの手がかりとなる。
参加アーティスト:石山未来、磯崎隼士、伊藤瑞生、川田龍、黒坂祐、多田恋一朗、布施琳太郎、山田悠太朗、吉澤理菜、田桃子、米澤柊
協力:東洋メディアリンクス株式会社
企画:Kenji Kitazawa
キュレーション:多田恋一朗
デザイン:山田悠太朗、多田恋一朗
混沌熟視
会期 2025年12月4日~12月8日
会場 CSSビルディング
住所 東京都中央区日本橋小伝馬町10-1
開館時間 09:00~17:00
休館日 会期中無休
入場料:¥800
URL https://www.tmlg.co.jp/news/art